RPA BANKをご覧のみなさま、こんにちは!スッカリご無沙汰しておりましたね。「RPAのはじめかた」、今回からシーズン2『AI(人工知能)編』に突入します。 「最近AIが気になって仕方がない」とウズウズしているものの、「ドコにもスキがないピリッとした雰囲気」になかなか一歩を踏み出せないでいる、そんなみなさまに向けたお気楽AI解説連載、張り切って始めていきましょう!
季節は巡って梅雨から初夏へ。
RPAの部署からAIの部署に転籍してきたコロボ君も、だいぶ部署の雰囲気に慣れてきたようです。
AI事業部長「コロボ君、キミも少しはAIの世界に慣れてきたかね?」
コロボ「エエ、モウスッカリAIッポクナリマシタ」
AI事業部長「……全然慣れてない気がするね」
……コホン。みなさまも「AI」という言葉には慣れてきましたか?RPAの世界だけでなく、テレビのニュースやインターネットの広告でも、最近本当にAIという言葉を目にする機会が多くなってきました。
「AIでアナタの生活がもっと豊かに!」
「AIに人間の仕事が奪われる!」
『得体の知れないスゴいナニカ』に、ワクワクしたりドキドキしたり、振り回されっぱなしの毎日ですが、「最先端で超クールだけど超複雑」というピッカピカのイメージに包まれてしまっていて、一体中身どんなものなのか、AI技術の専門家でもないワタシ達の場合、あまり実感が湧いていないのが現状です。
……ですよね?うんうん、そうでしょう?そうに違いない。
とうことで、このシーズン2では、AIを楽しみたい(でもムズカシイIT技術はちょっとニガテ)というみなさまと一緒に、「AIって実際のトコロどんなものなの?」ということを体験するべく、『誰でも触って楽しめるAI』をテーマにお話をしていこうと思います。
これからの時代、きっとワタシ達は嫌でもAIと付き合っていくことになります。新しもの好きの方に向けた「マニアックな技術」から、いつでも誰でも接するような「当たり前の技術」になり、やがては仕事上でもAIへの理解が必須になる状況にドンドン移り変わっていくはずです。
AIを「得体の知れないナニカ」として距離を置くのではなく、「一緒に暮らしていく仲間」として好きになれるように、まずは彼らの『人となり』から、学んでいくことにしましょう。
よーし、準備はOKですか?
ワタシ達と同じように、緊張でカッチコチのコロボ君も、準備できていますか?
それでは早速、AIの世界に出発しましょう!
【AIってなんだろう?】
まずは「言葉の定義」を見ておきましょうか。ウィキペディア先生によると、AI、つまり人工知能は、以下のように定義されています。
人工知能(AI/Artificial intelligence)とは、「『計算(computation)』という概念と『コンピュータ(computer)』という道具を用いて『知能』を研究する計算機科学(computer science)の一分野」を指す語。「言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術」、または、「計算機(コンピュータ)による知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野」ともされる。
参考URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/人工知能
ふむふむ、なるほど。ザックリ言ってしまうと、「コンピューター」という道具を使って、「計算」という処理を行い、人間の持つ「知能」を再現する試み、ということのようです。
ワタシ「あーお腹が空いたなー。お昼は何のおにぎりを食べよう。定番の明太子か、それともツナマヨか。いや、ここは敢えての塩むすびかしら?それとも、新商品の激辛鳥唐揚げかなー?」
AI「鮭ヲ選ビマショウ」
ワタシ「…エ?ホワイ?」
AI「アナタノ好ミ×オ腹ノヘリ具合÷財布ノ中身=鮭デス」
と、こんな感じに(※これはあくまでイメージです)、「計算」によって我々人間と同じように「判断するための理由」を導き出す、何なら、我々人間よりも「素早く」「正確に」導き出すことを可能にする。それが、AIという試みが目指している世界のようです。そうかー、鮭か。
「コンピューター」というスーパーな計算機が登場した時に、『人間が持つ知能をなんとかして再現してみたい!』と思った人が現れて、その流れがドンドン大きくなって、ついにはひとつの研究分野にまでなった、というわけですね。人間の好奇心ってスゴいのなんの。
現在では世界中で様々な方がAIの研究を行い、その進化の過程を記した沢山の書籍が出版されています。ワタシも少し前に、東京大学で教授を務める松尾豊さんの著書、「人工知能は人間を超えるか(角川EPUB選書)」を読ませていただいて、ガッツーンと大きな衝撃を受けました。「AIブームの歴史的な背景」や、映画の中で描かれているような「人間vs人工知能の戦い」が本当にはじまるのか、等々、興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
この連載でも、そう言った「AIの進化の過程や深い仕組みについて」、語っていきたい気持ちは当然……あったりなかったりするのですが。でもまあ、ムズカシイ話って肩が凝っていけませんよね。(誰ですか?「アナタはムズカシイ話なんてできないじゃないか」と言っている方は。その通りですけれども。)
AIを巡る高度かつ専門的なお話は、その道のプロの方々にお任せするとして、この連載では「さるでき」らしく。「面白そう」なところだけを、「楽しみながら」触って、「こんな感じかー」という感触を得る。いつも通りそんな旅にしようと思います。
「コンピューター」、「計算」、そして「知能」。それらのキーワードを頭の片隅に入れつつも、肩の力をダルーンと抜いて、巷で話題のAIについて、ワクワクしながら散策していきましょう。
【ワトソンさんこんにちは】
とは言え、いきなりAIの世界の中心にポーンと放り出されても迷子になってしまいますので、ワタシ達の身近なところからAIに近づいていくことにしましょうか。
そう言えば、RPAの世界でも『AI-OCR』という機能が沢山使われています。おお、なるほど。こんな近くにAIという言葉がありましたね。
参考URL:https://inside.ai
AI-OCRは、スキャナーで取り込んだ紙の資料に含まれる「手書きの文字」を、AIによって「素早く」「正確に」解析して「デジタルの文字データ」にする機能です。手書きの文字は人によって様々な癖が出るので、今まではどうしても人間の目でチェックする必要があったのですが、AIの機能が向上するにつれ、高い精度で読み取ることができるようになってきました。
スマートフォンの世界では、『音声入力』と呼ばれる、「人間がマイクに向かって話した文章を文字にする機能」や、逆に『音声合成』と呼ばれる、「書かれている文章を機会音声で読み上げる機能」が搭載されています。きっとみなさまがお使いのスマートフォンにも、「ヘイ、ホニャララ!」的なAIアシスタント機能が付いていますよね。
参考URL:https://www.apple.com/jp/siri/
インターネットの世界では、『チャットボット』という、「機械が人間と会話(チャット)をする機能」が多くの場所で使われています。わからないことがあったら、AIがチャットで解決方法を教えてくれる。一昔前には考えられなかったことが、今ではスッカリ「普通のこと」になりました。
参考URL:https://hitto.jp
見渡してみると、ワタシ達は既に色々な場所でAIに触れていますね。
いずれの場合にも共通しているのは、「コンピューター」が「計算」によって「人間っぽいこと(知能っぽいこと)」を行っているということ。なるほど、一見バラバラな機能に見えていましたが、定義を知るとスッキリです。
さてさて、それではこの辺りからAIを実際に触っていきたいトコロ……なのですが、これらのAI達は「製品に組み込まれた形」で提供されていて、アレコレ中身をイジって楽しむには少々ハードルが高いです。
そこでワタシ、このシーズン1とシーズン2の間に、
① 中身を触ることができる
② 金銭的に大丈夫
③ 気持ち的にテンションが上がる
この3つの条件を満たしているAIは無いかと、探してみました。
それではみなさま、ご紹介しましょう!
IBMが誇る超有名なAI、その名も『ワトソンさん(IBM Watson)』です!
参考URL:https://www.ibm.com/watson/jp-ja/
実はこちらのワトソンさん、先ほどのお話に出ていた「画像認識」や「音声入力」、「音声合成」や「チャットボット」等々、世の中で使われている有名なAI機能を数多く搭載しています。ワタシ達が何気なく使っているAIも、中身はワトソンさんだったりするのです。
「AIを知りたいなら、Watsonをチェックすべし」、そんな言葉がピッタリ似合うAIの総本山、それがワトソンさんです。旅の相棒としてはまさに申し分なしですね!
……でも、そんなに優秀なAIだと、きっとお高いのでしょう?
「ふっふっふ、それがなんと『無料』で使うことができるのですよ!」
そうなんです。Watsonを使うためには「IBM Cloud」というサービスに加入する必要があるのですが、このIBM Cloudにはいくつかの「サービスプラン」が用意されていて、最も手軽な『ライトアカウント』というプランであれば、ユーザー登録をするだけで、ワトソンさんが使えるようになるのです。
「こ、これは……楽しいことになりそうな気がする!」
さあ、みなさまのテンションも上がってきましたか?この連載では、「コロボ君」と「ワトソンさん」の2人(2ロボット)にお手伝いしていただきながら、AIをグリグリ触っていこうと思います。ライトアカウントの登録など、必要となる手順についてもお話ししていきますので、みなさまもぜひ一緒に挑戦してみてくださいね。
【今回のまとめ】
はい、おつかれさまでしたー。第1回は「AIの基本となる定義」と「シーズン2の進め方」について、拡大版でお話をさせていただきました。
シーズン1でのRPAツールの時もそうでしたが、最先端のIT技術は、「複雑な専門用語」と「見た目の威圧感」のために、「これは……ムズカシイものに違いない」という印象になりがちです。
そして、一旦そんな印象が付いてしまうと、どうしても「使わされている感」が出てしまって、自分からバンバン使っていく気持ちが弱くなってしまいます。
でも、思い出してください。RPAツールの時も、実際に使ってみると「あれ、なんだこんな感じか」と、憑き物が落ちたような気軽な気持ちになることができましたよね。そこが、RPAを好きになる第一歩でした。
あらかじめズバッと言ってしまいますが、AIは、RPAよりもほんの少し……いえ、結構「技術的なハードルが高い分野」だったりします。今回は残念ながら、「プログラミング的な要素」も避けては通れません。ですが、ひとつひとつ乗り越えていけば、そこには確実に「超面白い世界」が広がっています。
まずは「コピペくらいで楽しめるAI」を心がけて書いていきますので、「プログラミングなんてまったく触れたこともない!」という方も、ぜひ肩の力をダルーンと抜いてお付き合いくださいね。
それでは、「さるでき流 AIのはじめかた(シーズン2)」、よろしくお願いします!コロボ君、ワトソンさん、一緒に盛り上げていきましょう!