こんな本を読んでいます。
ボチボチどんなアプリを作るかを考えていまして。
その参考に。
で、
アプリの内容とはちーっとも関係ないのですが、
おもしろい発見がいくつかありましたのでここに。
私最近すっかりモノ忘れが激しくなっておりまして。
…訂正します。
私昔から結構モノ忘れが激しい人間でして。
昨日食ったもの。
待ち合わせの時間。
メールを返信すること。
ビデオ予約。
夢、希望。
いろんなものをサラッと忘れて生きてきました。
でも、やたらと良く覚えているものもあるんです。
元素記号。
ハンドボールのいろいろ。
シェムリアップで泊まったボロホテル。
ドラクエの復活の呪文。
ごめんなさい、実は私田中君が(以下略)
人間の記憶ってどうやって保存されるんだろう。
っていうお話です。
こういうことみたいです。
見る、聞く
↓
ワーキングメモリ(前頭皮質)に保存
見たり聞いたりしたものを一瞬だけ蓄えておくためのメモリー領域。
容量的には 「マジカルナンバー7±2」※ 程度しか覚えていられない。
※数字だと約7個、文字だと約6個、単語だと約5個
たとえば
・ボタン押してるときだけ覚えている電話番号
・メモに書いている間だけ覚えているメモの内容
・会話している間だけ覚えている会話の流れ
このくらいの記憶がワーキングメモリです。
↓
近時記憶(海馬)に保存
情報を大脳皮質に保存する前のバッファー。
省スペースのためガンガン忘れていく(1時間で半分近く忘れる)。
これを長期記憶にするためには、
「精緻化リハーサル」(繰り返し思い出す)で固定化しないとダメ。
たとえば
・さっき食べた食事は覚えているけど、3日前だと忘れてる
・今日書いたブログのタイトルは覚えているけど、3日前だと忘れている
このくらいの記憶が近時記憶です。
↓
長期記憶(大脳皮質)に保存
これがいわゆる「記憶」。頭のハードディスク。
精緻化リハーサルにより固定化された神経回路。
言葉で入っている記憶を「陳述記憶」、
身体さばきや指使いなど、言葉以外で入っている記憶を「手続き記憶」、
と呼びます。
陳述記憶は、
「エピソード記憶」 時間や場所、そのときの感情が含まれる、一連の経験の記憶
「意味記憶」 百科事典的な事実や知識の情報
に分けられ、
手続き記憶は、
「技能記憶」 自転車のこぎ方や楽器演奏
「プライミング記憶」 無意識の条件付け
に分けられます。
お疲れさまでした!ややこしいのはここまでです。
さっきの例で言うと、
エピソード記憶
シェムリアップで泊まったボロホテル。(←キツい思い出含む)
ごめんなさい、実は私田中君が(←すごくキツい思い出含む)
意味記憶
元素記号。(←すいへーりーべー…)
ドラクエの復活の呪文。(←ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじ…)
技能記憶
ハンドボールのいろいろ。(←身体が覚えてる)
こんな感じになります。まあプライミング記憶とやらは忘れましょう。
つまり脳は大雑把に言ってしまうと「3段階で覚えていく」わけです。
超揮発性の高いワーキングメモリから、一時保存領域を経て、ハードディスクに貯められていく。
ちゃー・しゅー・めーん!
基本的には容量削減のためにほとんどの記憶は一時保存領域で捨てられます。
昨日食ったもの。
待ち合わせの時間。
メールを返信すること。
ビデオ予約。
この辺を忘れるのは全て
「長期記憶のための固定化作業をしなかった」から、となります。
もうひとつを何故忘れてしまったのかはわかりません。大人の事情でしょう。
そしてもうひとつ。
「意味記憶」は「エピソード記憶」よりも残りやすいそうです。
意外ですが、確かに言われてみると。
エピソード記憶よりも、意味記憶のほうが無駄にしっかり覚えている気がします。
「ホイミ、ベホイミ、ベホマ、ベホマラー、ベホマズン」(ホイミ5段活用)
確かに。
ただし、
「納得して覚える」ことができない分エピソード記憶より定着が難しいので、
「エピソードと絡めて覚えましょ」ってことになります。
連想記憶法ってヤツです。
なんでもよく覚えている少年やオッサンが使ってるヤツですね。
なーるほど。
このブログも、
無意味に「しつこく」「例え」を入れまくっているわけではないのです!!
「例え=エピソードを繰り返し読むことで、より簡単に技術用語=意味を覚えることができる」
そんな脳科学に裏付けられた記述になっていると、
今初めて気付いたでしょう?
私もです。