世界の何処かで「ひとりIT担当」に就任したみなさま。おめでとうございます。

……いえいえ。決して暗に「ご愁傷様です」と言っているわけではなく。

……ホントですよ? いやだなあ、あは、あはは。

私も自分の会社ではひとりIT担当ですので(注:社員は私と社長の2人しかいませんが)、むしろ歓迎の気持ちでいっぱいでございます。いらっしゃい。涙あり笑いあり、やっぱり涙ありのデジタルワールドへようこそ。

でもご安心ください。ITって、結構楽しいです。

……ホントですよ?こっちは正真正銘本当です。

今まで想像もしなかったような斬新な機能を持つツールに出会うのはいつだってテンションが上りますし、特にあなたがIT担当なのであれば、そんな便利なツールを社内のみんなに提供することだってできます。場合によっては上司や社長から感謝をされることもあるでしょう。(場合によっては頭突きをされることがあるかもしれませんが。)

まずは、そんな楽しい世界に足を踏み入れたことを喜ぼうじゃないですか。

とは言え、これからみなさまが体験することは、例えて言えば「海外ひとり旅」……いや、「海外単身赴任」のようなものかもしれません。見知らぬ世界で言葉も通じず、ガイドブック(インターネット)に書いてある情報を頼りに生活の基盤を作っていかなければならない、という点ではそっくりです。(私は海外単身赴任を経験したことがありませんので、このあたりは妄想です。)

はーい、もう目隠し外しちゃって大丈夫でーす。……「!?」

本当であれば、スパッと「誰か専門の人を私の代わりに任命してください」と言えれば良いのでしょうが、昨今のIT人材不足、上司の方の目の奥には(そんなやつはうちの会社にはいない。ユーの選択肢は『イエス』か『やります』だけだ。)という紫の炎がメラメラと燃えています。

「頑張ります……」

と言ってしまったあたなのために、『今日からはじめるIT世界への単身赴任ガイド』というカタチで、この先の進め方を整理してみますね。


【今日からはじめるIT世界単身赴任ガイド】

STEP1:何かトラブルが起こったときに駆け込める「日本語が通じるサポートデスク」を探す

上司からの通達一発。見知らぬ世界にただ一人放り出されたあなた。心細さで気が滅入ってしまいそうですね。

逃げ出したい気持ちをグッと抑えて、まずは、その心細さをほんの少しでも解消するために、IT世界のことを「日本語」で話せる(相談できる・愚痴れる)環境を探しましょう。駆け込める先があるだけでも、気持ちの上で大きく違ってくるはずです。

ただ、残念ながら……この流れです。あなたの会社の社内にはそういう環境が、少々……いや、相当心許ない可能性がありますので、ITに詳しい友人に声をかけたり、インターネットでITお助けサポートデスクを探してみましょう。

ITに詳しい友人がいない。(いや、そもそも友人がいない。)ITお助けサポートデスクはどこを選べば良いかわからない。(どこを選んでも、胡散臭そうな気がしてしまう。)そんなあなた(わかります。私もです。)向けに、最近では「ジェネレーティブAI(生成AI)」という画期的なツールが登場していまして、こちらが質問したことを親切丁寧に「AI」が回答してくれる、という夢のようなサポートデスクも存在しています。

こちらがAIサポートデスク「ChatGPTさん」です。あなたのココロのスキマをお埋めします。

丁度よい駆け込み先が見つからない場合は是非お試しください。

もちろん、当ブログを時々覗いていただいて、「やだ……この人誰も聞いてないのに延々独り言を呟いてる……私のほうがよっぽど幸せ……」と、気持ちを紛らわせていただくのも良いことかと思います。……いえ、泣いていませんよ。

STEP2:生活の基盤となる、様々な「言葉」を覚える

取り急ぎ、いざというときの頼り先を決めたら、次は生活の基盤となる「言葉」を覚えていきます。

『ChatGPT』『DX』『SaaS』『RPA』『NFT』『ERP』『IoT』『PS5』『PTA』『KFC』などなど。なんだかやたらと耳にはするものの、サッパリ意味がわからない、そんな呪文のような言葉がITの世界には山ほどあります。(この中で私達に必要なものはPS5とKFCくらいです。)

知らなくても生活に支障をきたすことはほとんどありませんが、知っていたほうが上司の方に「やってます感」を出すことができます。これはとっても大事なことです。

社長「どうだね、我が社のITに足りない部分はどこ辺りなのかね」
あなた「そうですね……季節的にNTFに脂が乗っていますので、ERPの分量を2〜3%増やすことで、よりカラッとしたKFCが仕上がるかと思います」
社長「ほほう……(コイツできる……!)」

それはさておき。

とにかく沢山ありますので、まずは面白そうなところから、なるべく脳に負担をかけないようにしつつ(←ココ大事)、覚えていくことにしましょう。

STEP3:自分にとって暮らしやすい具体的な「生活の流れ」を作る

基本的な言葉がわかってくるにつれて、生活へのストレスも少しずつ減っていきます。「粗大ごみを出すための処理券はコンビニで買える」ということがわかると、単身赴任のストレスが一気に減るのと同じことです。(私は海外はおろか、単身赴任自体を経験したことがありませんので、このあたりも妄想です。)

ただ、それだけではまだ「快適」な生活とは言えません。

朝は猫の肉球に起こされて、音楽を聞きながら掃除洗濯をし、街角のカフェで軽くブランチ、コーヒー片手に職場に向かい、フリーアドレスのオフィスで仕事、帰りにジムで汗を流し、夜はワイン片手に料理を作って、猫と同じ枕で一緒に眠る。

猫と一緒に暮らす場合は頭上にお気をつけ下さい。ハシゴ→棚→板→カゴの植物をチョイ→ニャー!です。

……そんな生活が快適かどうかは一旦置いておくとして。

覚えた言葉を体現する「ツール」を実際に使ってみて、自分にとって合う・合わないを選択し、合うものを中心に日々の暮らしの中で使っていく。そんな感じの「流れ(ルーティン)」を作ると、生活はどんどん快適になっていきます。

言葉も沢山あるのですが、ツールの方もこれまた山のように存在していますので、こちらも面白そうなものから、そしてなるべくお財布に負担をかけないようにしつつ(←ココ超大事)、使っていくことにしましょう。

STEP4:街のあちらこちらを「寄り道」してみる

ふ〜、どうにかITの世界にも馴染んできましたね。(……という予定です。)

この世界での生活に余裕が出てきたら、「寄り道」をしていきましょう。

心にゆとりが生まれてくると、それまで目に止まらなかった様々な風景が見えてきます。

過去に作られた歴史的建造物(メジャーなサービス)の移り変わり、今作られている未来の街(最先端の技術)の姿、心地よい小さな隠れ家(個人のサイト)、異国情緒あふれる裏路地の喧騒(様々なマーケットプレイス)、その辺りまで楽しむことができれば、あなたは立派なこの世界の住民です。

そうなったら今度は、次にこの世界を訪れる新たな単身赴任の方々を、あなたがサポートする番ですね。社内のみなさまに向けて、ITの世界のことを少しずつ話していきましょう。


……と、こんな感じでいかがでしょう?

思った以上にそれっぽい雰囲気になったような気がします。うんうん、なかなか良いじゃないですか。自分で言っちゃってますけど。

IT世界の代名詞「インターネット」が広く一般的に使われるようになって、もう30年近くが経とうとしています。

その広さと深さは、まさにひとつの「世界」と言えるかもしれません。

オシャレなIT世界のイメージ。一見涼しそうですが、実際のこの場所は肉を焼けるくらい熱いです。

みなさまがそんな世界での暮らしをリラックスしながら楽しめるような、そんなガイドができると良いなーと思っております。(その100倍、ちゃんと続けられるか不安だなーと思っております。)よろしくお願いしますね。