RPA BANKをご覧のみなさま、こんにちは。RPAはじめましての方、そしてバリバリのエンジニア職ではない方に向けたお気楽RPA解説連載、「さるでき流 RPAのはじめかた」、今回で第5回になりました。
そうそう、最初にご報告を。「オレ達の戦いはこれからだ!」的に5回でサクッと終了するかと思われた当連載なのですが、みなさまのおかげでどうにか6回目以降も続けられることになりましたよ!いやっほーい!
良かった…ホントに良かった。今の段階終わってしまうと、ワタシ自身がRPA迷子になるところに…。
では!続投が決まりましたのでこの先の予定を少しだけお話しておきますと、ひとまず今回で「BizRobo!の基礎編その①」は一旦終了となります。その上で、次回からは別のツールに環境を変えて同じく「基礎編その①」を行い、また5回後くらいに別のツールへ。そんな感じである程度ツールの幅ができてきたら、またBizRobo!に戻って基礎編その②を…と、ヨコタテヨコタテの順番に範囲を広げて行ければと思っております。
長い旅路になりますが(なるとイイなあ!)、みなさまどうぞのんびりお付き合いくださいませ。
それでは前回のお話に戻りましょうか。まずはRPAの真価が問われる(かもしれない)ワタシ的ビッグイベント、「年末コロボ君お仕事お手伝い企画」がどうなったかと申しますと…
『コロボ君に手伝ってもらうためには、準備が大切』
ということがよくわかりました!はっはっは。ボロボロの惨敗…という程でも無かったのですが、アレコレ飛び込みの作業が入ってくると、コロボ君を動かす前にどうしても自分でやってしまいますね。コロボ君からの「やることを教えてくれれば働くのに」という視線が痛い痛い。
…そんなこんなで年末はほぼ通常通りお仕事をしておりました。もう少し慣れが必要ですねえ。今年の年末にはなんとか間に合わせたいところです。
では、気を取り直して。今度は連載の方がどうなっているかと言いますと、現在『応援コロボ君』が「Design Studio」上で無事動いたよ、という状態です。
まさかとは思いますが…「応援コロボ君」って何?というアナタは、一旦当連載の第3回、第4回をサラッと読んでからまたお戻りください。現代社会の荒波にヘトヘトなみなさま(とワタシ)へ、優しい応援メールを送ってくれる、それはそれは心温まるロボットなのです。
…はい、お帰りなさいませ。ということで、無事動いたことは動いたのですが、まだ本来思い描いた姿になっていない部分がありましたね。今回はその辺りをバシッと調整することにします。
ではでは始めましょう!いつもの通りに「Design Studio」をオープンです!
【スケジュールの設定】
あらためて状況の確認ですが、前回までで足りていなかったことは、「朝昼晩、一定時間ごとにメールを送る」という『スケジュールの設定』部分でした。こちらがデバッグ・モードでボタンを押せば動くことは動くのですが、「ボタンを押さないと動きません」し、「一度動くと寝てしまいます」しで、とても自動化ロボット風の動きにはなっていませんでしたね。
では、早速スケジュールをDesign Studioで設定しましょ…えーと…あれ…?
みなさま、大変残念なお知らせです。実は、Design Studioでは、スケジュールの設定が「できない」のです。
「くっくっく、お前が知っていた世界はBizRobo!のごく一部なのだよ」
「なんだってー!」
そうなんです!マニュアルの作成もできるし、それをデバッグ・モードで実行することもできる。一見万能選手のように見えるDesign Studioなのですが、スケジュールを設定しようと思ったら、他のツールに引き継がなければならないのです。困ったことにねえ(連載的にも)!はっはっは!
…コホン。そんなわけでDesign Studioから引き継ぐ先のツール、その名も「Management Console(マネジメント・コンソール)」の登場です!
【Management Console】
まずはツール同士の位置関係の確認からはじめますね。今まで見てきたDesign Studioはロボットを作る(コロボ君の動作マニュアルを作る)ためのツール、「統合開発環境」と呼ばれるモノでした。
それに対して、Management Consoleは出来上がったロボット(マニュアル暗記済みのコロボ君)の動きを管理するためのツール、「実行環境」と呼ばれるモノです。
BizRobo!を「劇場」に見立てると、Design Studioが「練習部屋」、Management Consoleは「楽屋(スケジュールが書かれたホワイトボードが壁に貼ってある待機場所)」って感じですかねえ…。ここで指示を受けて、コロボ君は「ステージ」に飛び出していきます。
「うん。サッパリわからないぜ」という声がゾワゾワと広がっていくのを感じますので、実際の画面で見ていくことにしましょう!
Design Studio上で「応援コロボ君」マニュアルを開いた上で、メニューバーから「Tools」メニューを開いてください。一番下に「Upload to Management Console」なるサブメニューがありますね。こちらをポチッとどうぞ。
「アップロード先を選択してください」とのメッセージが出ていますが、今はそのままでOKです。何もイジらず「Upload」ボタンをクリック。
特に何かが変わった様子もありませんが、どうやら処理が終了したようです。念のためしばらく待ってみても…何も変化は起こりませんね。
そう、ここからはManagement Consoleの画面に処理が引き継がれます。ではみなさま、お使いのブラウザを開いて、以下のURLを入力してください。
http://localhost:50080
…何でしょう?このURL。まったくもって呪文感がハンパないのですが。コレで正解です。入力すればちゃんとManagement Consoleに繋がります。この辺りはシステム構成的な部分との兼ね合いがチョイチョイある部分なのですが、今はそんなこと「見なかった」ことにしましょう。「呪文を唱えれば扉が開く」、昔ばっちゃんが教えてくれましたもんね!
さあ!ということで出てきましたよ。こちらがManagement Consoleの画面です。今まで見てきたDesign Studioとは随分雰囲気が違いますね〜。同じなのは「全項目英語」ということくらいです。『それが一番厄介』という気もしますが。
とりあえず先程アップロードしたコロボ君を探しましょう。一段目のタブの中にある「Repository」から、二段目のタブの「Robots」を開いてください。
見つかりました!「KOROBO」君フォルダーの中に、「Ouen」ロボットとしてしっかり登録されています。実は…結構適当にDesign Studioで名前を付けていたのですが、Management Consoleでも「コロボ君」の「応援作業」と、ちゃんと読むことができますね。うんうん、なかなか悪くない名前の付け方でしたよ。おほほほほ。
それでは、スケジュールの設定を行っていきましょう。
行の上で右クリックをすると、メニューが出てきます。今回はスケジュールの設定をしますので、「Create Schedule」を選択しましょう。
スケジュールの設定画面が出てきました。「Basic」「Advanced」のタブ。「Simple」「Cron(定期実行)」のラジオボタン。『この沼、深そう』と思ったアナタ。大正解。
Management Consoleのスケジュール設定機能は、実に様々な設定方法に対応しています。それだけ様々なケースが発生する…ということなのですが、現在のワタシたちには関係ナッシングですので、一番カンタンそうな「Basic」「Simple」だけを見ておきましょう。
注目するポイントは2つ。その①:「Every」という項目は、コロボ君を動かす「頻度」を表しています。その②:その下の「Start Date」は「開始時間」ですので、これらを組み合わせると、「この日のこの時間から、この頻度で動いてね」という指示ができるわけです。
ひとまず設定して、どうなるか見てみましょうか。ポチポチっとな。
設定できました!さて、その時が来るのを静かに待ちましょう。
おおっ!メールが送られてきましたよ!スケジュールの設定、バッチリでしたね!
では、少しだけ応用して、今度は「朝昼晩」の設定をしましょう。おそらく「Advanced」とか「Cron」とか、アチラ側で設定をすれば、1回でスマートに設定できそうな気もしますが…ワタシたち何と言っても初心者ですしね!シンプルに「3回設定する」ことにしましょう!
できましたー!基本的な設定は先程と変わっていないので、時間が来れば…。
バッチリ動きます!Management Console上にも「18時に1回実行しましたよ」という結果が表示されていますね。
ふー。良かった良かったー。これで当初の目的はほとんど実現できたことになります。本当にありがとうコロボ君。これから365日、雨の日も風の日も、ワタシのガラスのハートを支えるためにこの作業を続けてくださいね。
【第5回までのまとめ】
さてさてみなさま!「BizRobo!を使った、はじめてのロボット作り」、いかがでしたか?
『やろうとしていることはカンタンなのに、それを実現するための設定がフクザツそう』、そんな印象を受けた方が多かったのではないかと思います。なんでそんな印象になるのかと言えば、それは「一見単純そうに見える作業も、実は様々な要素で成り立っている」ということが根底にあるからでしょう。
コロボ君に言わせれば、『ミナサマ人間ハ、毎日結構【スゴイコト】ヲヤッテイルノデスヨ?』ということなのです。
誇っておきましょうか。えっへん。
…では!これにて第1クール終了です。最初にお話しましたが、次回からは新しいツールに挑戦します。「人間のやっているスゴイこと」を「どうやってロボットに教えるのか」、BizRobo!とはまったく異なるアプローチ方法を採っているツールが登場します。色々比べてみて、『RPA』についての理解をさらに深めていきましょう。
それでは、どんなツールが登場するのか、楽しみにお待ちください!「あれ?何か公開がいつもより遅くない?」という場合は、ワタシが…その…「締切までにそのツールを使いこなせていない」可能性が…「とっても高い」とか高くないとか。その辺りのドキドキ感も含めて、次回もお楽しみに!